梅しごと2015|梅酒と梅シロップの記録
梅酒と梅シロップを仕込んだ2015年の梅しごと記録。発酵して泡立った梅シロップに慌てたり横着したりしながら、最終的にはおいしく完成。
「今年は、やめておこう」
そう決めていたはずだった。 数週間後には里帰り出産を控えているし、正直、梅しごとはやらないつもりだった。
……つもりだったのだが。
野菜直売所で、かごに山盛りになった青梅を見た瞬間、私の理性は「ウズウズ」という名の本能に負けた。 気づけば2キロの梅を抱え、意気揚々と家路についていたのである。
「ほじほじ」の挫折と、私の適当加減
帰宅後、さっそく作業に取り掛かる。 梅を洗い、一粒ずつ丁寧に拭き、ヘタを竹串で取り除く。この「ヘタ取り」が、梅しごとの醍醐味だ。
無心で竹串を動かしていると、 息子が寄ってきたので、一個だけ渡してみた。
数秒後。
「ほじほじ、きらい!」
一瞬で匙を投げ(串を投げ)、彼は去っていった。 潔い。私は一人、キッチンで梅と向き合う。
梅は、梅酒用と梅シロップ用に分けた。
参考にしたのは「北欧、暮らしの道具店」さんの記事。 きび砂糖を使っているところが好きだった。
私の梅酒のベースはホワイトリカーではなく、芋焼酎。 しかも、家に余っていた複数銘柄をブレンドするという暴挙に出た。不味かったらどうしよう。 でも、余り物が片付く快感には勝てなかった。
予期せぬ「泡」との戦い
梅酒は4リットル、梅シロップは2リットルの瓶にこしらえ完了。
梅シロップは里帰り先に持っていって、夏に息子と飲む予定だった。 冷水で割ってもいいし、かき氷にかけてもいい。 未来の自分と息子が、ちょっとだけ幸せになる予定である。
——ところが。
数日後、梅シロップがシュワシュワと泡立っていた。
え、泡。 調べると「発酵のサイン」「良くない兆候」とある。 急に現実が迫ってくる。
慌てて梅を取り出し、シロップだけを火にかける。 丁寧にアクをすくいながら、弱火で15分。 こうすることで発酵が抑えられるんだそう。
本来なら瓶も煮沸消毒し直すべきところだが、 「まあ、拭けばいっか」と、ここで横着を発動。
人生のだいたいの失敗は、こういう一瞬から始まる。
冷ましたシロップを梅と一緒に瓶に戻し、ラップをして、空気を遮断。 祈るような気持ちで冷暗所へ。
——が、翌日。
また泡。
がっくりしつつ調べ直すと、実はこれ「天然酵母」なのだという。 パンを焼く人もいるらしい。 失敗じゃなくて、梅が元気なだけだった。
正解ルートではないけれど、失敗とも言い切れない。 人生みたいだな、と思う。
夏を感じる、地味だけれど特別な宝物
蓋を開けると「プシュッ」。
あ、まだ生きてる。
妊婦と幼児が飲むので、アルコールは絶対に許されない。 梅を取り出し、シロップは瓶底に溜まった氷砂糖ごと、しっかり煮立てた。
風味は多少飛ぶけれど、安心には代えられない。 アクをすくい、殺菌し、アルコールを飛ばす。
取り出した梅は、捨てるのも忍びなくてジャムに。 種と実を分ける作業は、想像以上に根気がいる。
口当たりなめらかにするにはフードプロセッサーがいいらしい。 でもそんな便利なものは使わず、包丁でざくざく。 果肉ごろごろも、悪くない。
(自分用の覚書:取り出した梅(種付き)440gと、てんさい糖45g。甘さかなり控えめ。)
こうして、 2015年の梅シロップと梅ジャムが完成した。
シロップは、きび砂糖のせいで渋い琥珀色。ジャムにいたっては、なんとも言えない色合いに。 ちっともキラキラしていないけれど、ヨーグルトにかければ最高のご馳走だ。
プレーンヨーグルトに梅ジャムをのせ、梅シロップをたっぷりと。
今年の夏は、炭酸水で割ったり、かき氷にかけたりしてたっぷり楽しもう。